教育対話の会2月例会報告
2018/2/24@学芸大学附属世田谷小学校参加者17名
3年目の先生の実践
「気になるこの子を通してみた道徳の授業」
〜なかなか上手くいかない教職3年目のリアル〜
ファシリテーターの木下さんのアイスブレイクから始まった2月例会。
4つのグループに分かれて始まった「最近の私」の紹介。私のグループには、対話の会初参加の学生さんがいました。「この会の印象はどうですか」と聞くと、「全く違いました」とのこと。そこで、どういう印象だったか、聞いてみました。すると、1人の方が前にいて、参加者が一斉にその提案を聞く、というイメージを話してくれました。対話の会は、「対話」を大切にしているので、もちろん例会も双方向のやり取りが至る所で生まれるように工夫しています。それは、「誰かから教えてもらう」のではなく、ともに学ぶ空間をつくろうとしているからです。
さて、そのようにして対話の熱を帯びてきた2月例会の中身について紹介します。
1 提案者より
①自分の環境や学級のこと
* 2年生
* 「やればできる子たち」なのに、乱れてしまった学級
* 仕事の効率が悪い→準備ができない
* 子どもの心をつかめない
* 負のスパイラルに陥っている
* 道徳の授業を通して、「ルールを守るという」大切な事を伝えたい
* 教材は道徳「ポン太とカンタ」
②気になるこの子A
* 喧嘩っ早く、すぐに手が出てしまう
* 頭の回転は速い。
* どんな事を考えているのか、分かりたい。
* この子が来年、明るい気持ちで過ごせるように
2 グループ
・各グループで提案資料や授業ビデオを手掛かりに語り合いました。
3 シェアリング
グループ①
* Tが規律を整えたいという思いが出ている。
* 教室掲示が多い。集中ができない子どもたちには、もっとシンプルな掲示にした方が良い
* 副読本を使っていたが、他の読み物にきが行ってしまっていた。「ポン太とカンタ」の資料だけでいいのではないか。
グループ②
* 教師の範読でひきつけられている子どもに対しての対応をしたい
* ルールは何のためにあるのか、子どもたちと一緒に考える時間を確保したい
* ルールをどうするかは、みんな悩み考えていること。
* おしゃべりが多い授業中の子どもたちにどう対応するか
グループ③
* 学びの保障はされているか:授業のマネジメントとして
* 学びの土台は子どもたち興味関心
* 教師が学数規律やルールを整わせなきゃと思い過ぎていないか
* 授業ビデオや逐語記録の中に「学びの芽」がある。その芽を教師はとらえたい
グループ④
* 「学習規律」ではなく、「相互行為としての秩序」としてとらえたい
* 子どもの発言を受けたり、教師の発話に続けて子どもが発話したりする「協同発話」がみられる。このような、子どもとの関わりを大切にしたい。
* 逆に、宛先のない、教師の声が聞こえる。教師の悩みや焦り、苦しみを感じる。
* 教師であることに答えようとし過ぎているのでは。私としての姿はどこに?
など、多くの意見が各グループからだされました。
4 全体での共有
* 先生らしくあろうとし過ぎる提案者の悩みを感じた
* 理想と現実のズレを感じる
* 先生(〜ねばらなぬ)と私(〜したい)のズレ
* 時期によって、聞こえる言葉が違うかもしれない
* 記録に先生の主観が入り込んでいるかもしれない
* 先生が気にしていること、大切にしている事を、大切にしている子もいる。そういう子どもをしっかりと見たい。騒がしい子どもばかりに目が行き過ぎている
* 子どもは先生をよく見ている
* 授業の記録(プロトコル)の中に授業改善の手がかりがある
* 「道徳の型」に違和感がある。その授業にはどんな必然性があったか
* 教師と子ども、子どもと子どもが気持ちを通わせながら学びたい
* 発言記録119「ねぇ」や122「どっちがわからない」という発言を教室で共有して、学びの芽にできないだろうか
* 授業の本筋で頑張る子どもと、脇道で繋がり合う子ども。教師がどうとらえるか。どんな姿をのぞんで、授業準備を行うか。
* 授業の最中でこそ、子どもとともに教材を解釈する。
5 提案者の振り返り
* いろんな人から聞く言葉を今日も聞いた。
* それが私の課題だと受け止める
* 教師を演じ過ぎている自分もいる
* 授業の中でこそ子ども繋がれるようになりたい
* これからも教師生活を続けたいと考えている
* 今日の提案で、いろいろな意見をもらって希望がもてた
6 事務局より
* 本日が29年度最後の例会
* 「教師としての私を見つめ直す」という年間テーマで考えてきた
* 今回も「教師としての私」を見つめ直すことができた
* 年間予定(仮)を確認してください。日程はこの方向でいきます。
* 次回は、総会・例会4月21日(土)14:00〜@学芸大学附属世田谷小学校
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